ソーシャルスキルトレーニング シナリオ解説
10148 | さいふを落としちゃった |
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イントロダクション (3人称視点)
児童A
聞いて!!
児童B
どうしたの?
君はさいふを落としたんだ。
友達にその悔しさを伝えてみよう。
せりふは、「さいふを落としちゃった」だけ。
さあ、やってみよう。
友達にその悔しさを伝えてみよう。
せりふは、「さいふを落としちゃった」だけ。
さあ、やってみよう。
Ⅰ 言葉だけで伝える (2人称視点)
児童A
財布を落としちゃった。
児童B
ふーん。大変だったね。
Ⅱ 姿勢や表情を使って伝える (2人称視点)
児童A
財布を落としちゃった
児童B
ふーん。大変だったね。
Ⅲ 身ぶり手ぶりを使って伝える (2人称視点)
児童A
財布を落としちゃった
児童B
わー。大変だったね。
PDDの傾向を持つ児童は、言葉以外の情報を重要視しないので、自己の感情表現、他者の感情理解が苦手なことがあります。
ここでは言葉以外の方法で相手に気持ちを伝える練習をします。
導入:
① 「イントロダクション」を見せる。
② 「君ならどうする」かたずねる。
悔しさを伝えるにはどうすればいいか考えさせる。
③ すべてのパターンを見せる。
④ 表現の仕方に注目してもう一度ビデオを見せる。
⑤ 一番悔しい思いが伝わるパターンを選ばせる。
展開:
① それぞれのパターンにおいて言葉は同じなのに伝わる悔しさが違う理由を考えさせる。
② 悔しさを言葉以外で表現するロールプレイを行う。
録画機能や鏡を用いて、できているかを確認させる。(表情、声の調子、動作に注目させる)
③ できているところとできていないところを分析する。
発展:
① さまざまな感情を言葉以外で表現するロールプレイを行う。
・ 悲しみ
・ 喜び
・ 驚き
・ 怒り など
言葉は複雑な情報を他者に伝える手段としてはとても有効です。しかし、次のような状況を考えてください。
・ 「怒ってないよ」と強い調子の声で言われた。
・ 「悲しくなんかないよ」と泣きそうな顔で言われた。
・ 「すごく楽しいよ」と普通の顔で言われた。
私たちは感情を相手に伝える手段として、言葉より声の調子や表情を重要視していることが分かります。
言葉以外の情報を重要視しないPDD傾向の児童は、自己の感情表現、他者の感情理解がどうしても苦手になってしまします。
・ 言葉以外にも自分の思いを伝える方法があることがわかったか?
・ 言葉を用いないで、自分の悔しさを伝える具体的な方法がわかったか?
・ 言葉を用いないで、さまざまな気持ちを伝えることができたか?